空飛ぶ人間
空を飛べたらいいな、と願う。
本当に飛べるようになったら、どうしよう。

空を飛んだ罪で捕まるかもしれない。
危険な存在だと恐れられ虐げられるかもしれない。
檻の中に入れられるかもしれない。
でも『くさい飯』は、意外とおいしいかもしれないね

異なる者に対し、敵意を剥き出しに外界は危険な場所。
自由と引き換えに、安全な居場所を求める。

空を飛ぶ人間。 人として奇怪でも、動物としては普通かもしれない
狭い空間で、人々を楽しませるために芸を覚える。
動物園の動物にとって、檻の中は安全な場所
人間としてではなく、***としての人気者

時間割みたいなメニュー、その通りにこなせばいい
自分の足で立つ事はやめて、他人に従う
自分の権利は放棄して、安定した確実性を求める

人が呆れるような能力を身に付けたいな
笑わないでくれ、見捨てないでくれ
嘲笑ったものの事を、いつか羨ましいと思うはず

人間としての権利と引き換えに、得られるもの。
優れた者が、周りに合わせて自分を抑えるのは間違いだ
他者を超越した力、能力の使い道はあなた次第



  言葉の重み
心の中で思った事を、どうして素直に口に出せないのだろう
どんな心の声も、言葉にして外に発した時には、原形を留めていない
言葉は心を映す鏡ではない。屈折した思考が言葉を歪める

何を言えばいいの?と人に聞く。あまりにも愚かな行為だ
言いたい事があり過ぎて、何も言えなくなる
聞きたい事を聞く。話したい事を話す。単純だけど最も難しい事

他人の反応ばかり考えて発せられる、本音とは遠い言葉の数々
何も言わないから、誤解されてしまう。
自己の内面を見せないため、それだけ黙る理由なら馬鹿げてる
隠す価値もない本音。それを語る度胸もない

人を傷付ける勇気もない臆病者は、残酷なセリフが吐けない
気配りや親切のつもりの嘘が、誤解を招いた時は、泣くしかないでしょう
本心とは違うとしても、悪役ぶった言葉しか吐けない、嘆くしかないでしょ

相手がどう思うか? そんな事どうだっていいはず
傷つける事を言わないのは、本当は優しさではない
自然に思った事を言えばいい。その結果、相手の感情を動かす事もある
ヒトの言葉にうなずくだけが最善の選択と思っていた。

最初は、お手本を真似ればいい。真似だけで、終わってはいけない
自己主張をしなければ、きっと後悔する
誰かの反感を招いたとしても、それ以上の共感を得られるはず
沈黙を破る勇気をくれ


  ロボット
人は便利で役立つロボットを作りました。
当初、ロボットに意志や感情は与えられていませんでした。

-強い意志は、他者との衝突が生じる可能性は高い
-感情は、欲を生み出す。

ロボットは機械であり、便利な道具でしかない。
不要になれば廃棄処分。悲しい運命
『皆様のお役に立てるよう、努力します…』ロボット達は頑張った
だが、創造性のない者に未来を切り開く事はできない

より便利な道具を求めて人間は、ロボットに人工知能を与えた
より擬人化させようと、学習機能や感情を与えた。

豊富な知識を身に付けたロボットは、人間こそ悪であると悟る
優秀なロボットは、地球を守るために立ち上がりました。
創造性を身に付けたロボットの前で、人類は無力でした

人類の世界は終わり、ロボットの支配する世界になりました
自然と共存するロボット。おかしな世界


  都   会
高層ビルが立ち並ぶ。遠くの景色も見えない
地下鉄や地下道が発達している。見えない世界に戸惑う
方向感覚が狂わされる。思考回路が狂わされる
見えない闇が渦巻く空間。飲み込まれ堕ちたくない
高度な文明の象徴。昔の人類が望んだものは、こんな世界なのか

便利だけど奇妙な乗り物。イモ虫型の電車に、箱型の車
満員電車の中では、他者との安全な距離を保つ事もできない
人だけに通用するルール。牛に赤を見せたら突進する

駅を出ると、大勢の人々が同じ方向へ歩いている、不気味な光景
無表情のまま進む彼ら、時間に追われた生活をしているご様子
少しずつ分散していく群集。不思議と優秀に見えてしまう。
自信に満ちた表情も、わずかなきっかけで焦りと不安に変わるらしい

道に迷う。偶然辿りついた場所。そこはどこだったのか?
どうでもいい。歩き疲れて自然のない公園でたたずむ
ダンボールに包まれた生活者、彼らの過去も興味深い
社会に見放されたのに、生きる事をあきらめていない
人間らしさが、あふれている気がした


  逃  避
困難な場面にぶつかったとき、逃げる方法ばかり考えている
本当は逃げずに、真っ直ぐ立ち向かうべきだとわかっている
自分には能力がない。だからできない。つまらない言い訳だ

人間にできる事なんて、限られている。
それでも、夢や目標に近付く事はできるはず
理想的な現実を描けなくなった。だから前進できない

今の自分にできる事はするけど、できない事に挑戦しようとしない
何も目指さなかった者が、未来で今以上の存在になれるはずない

今までチャンスなら、たくさんあったかもしれない
運が悪いなどと、自分のせいだとは認めなかった
訪れた好機に、面倒な事はしたくないと、逃げてしまった

上手くいかないときに思い描くのは、非現実的な空想
世界の危機が訪れて、そこで救世主になりたかった
どんな危機だよ?と笑われる。今は肉弾戦の時代ではない。
魔法で科学兵器に対抗世界が訪れればいい。
肉体より精神力で戦うなら、若くいる必要もない

現実と空想の境界がわからなくなってきた…


  砂時計
人生を流れる時間は無限ではない。
ムダな日々を過ごした。また同じ日々の繰り返すのか?
過去に戻れないなら、これ以上、退化しないように時を止めよう
自分自身の、運命の砂時計を止めようと試みる

手の中の砂はこぼれる。強く握るほど多くこぼれ落ちる
砂の残量が減るのとともに、我が肉体が朽ち果ててゆく
急がなくちゃ。焦る、止められるはずない。
失った時間は取り戻せない。あきらめる事を学ぶ

永遠を望んではいない。その逆を望んだはずだ。
本当は永遠の時を手に入れたくて、時間を止めようとしていた
運命に逆らおうとした報い。急速に退化してしまった

誰も「時の流れ」には逆らえない。
永遠を望むものは、満たされず永遠に苦しむ

最後の最後まであきらめず、精一杯いこう



  風 船
本当は中身が空っぽであると、知られたくなかった
少しでも大きくなろう、少しでも大きく見せようと頑張った
良い評価を得るために、目立とうと無茶をした
まだ大丈夫、もう少し。限界まで膨らませる。

弱い心は、ユラユラ揺れて、フラフラさまよう
強がっていても、いつも不安と隣り合わせだった
弱さを隠すために作り上げた虚像は、少しずつ巨大化した
負けるのは嫌で、偽りを隠すための偽りが膨れていった

中身が詰まっていなかったから、パーンて破裂しちゃった…
やっと、振り向いてくれた。でも、修復は不可能みたいだ
もう少し、早く気付いて欲しかったな

誰のせいでもないよ。自分のために頑張っただけ
どこが限界なのか試してみたかったのかも知れない
久々に笑顔をしている
きっと救われたんだ…。夢の世界に辿りつける


  創 造 主
小動物の運命は人間に弄ばれるもの
ばらまかれたエサに飛びついた獲物が生贄となる
衰弱する様子を観察するのは、見飽きない
命の儚さ、実験の役に立ったんだから幸せなのかな
人間様の科学の進歩は、本当に素晴らしい事だろうか

戦争では敵と見なした者の命を多く奪えば英雄
個人が敵とみなした者に危害を加えたら犯罪者
多数の生命を脅かす者はみんな消したいって事だよね
強い影響力を持っていれば正義の味方らしい

大人になる、世の中に適応する、社会に拘束される
逃げ出す事のできない社会の檻に閉じ込めらる。
60億の知的生命体に勝る力を身につけたい
いま、この星の支配権を手にしている者は、神様ではない

建物が一つ崩れた所で、面白くも何ともない
報復として、地形が変形するようなショーが始まる
日本みたいな小さな島国は簡単に海の藻屑だね
この星は生命の住めない環境に陥る日は近い
絶望の中で求めるものは、希望の光


  将来性
現実的で利口な人間には、なりたくない。
非現実的な夢物語を、いつまでも心に描いていたい
叶わなくても、目標に向かって頑張る時間は良いものなはずだ
自分に何ができるのか、できるできないは関係ない

努力すれば報われる。そうかもしれない
でもね、頑張る事は大変なこと
あきらめたら、その先の可能性も失ってしまう

イバラの道に進むよりは、できるだけ楽な道に進みたい。
現在、苦労することで将来の幸せにつながるかもしれない
20年後って来るのかな、それより今、楽なほうがいいや
先のことより、目先の利益を得ようとしてしまう

自分にできる事は、ほとんどない
もう夢を見て挫折するのは嫌だ。
疲れたら休む。嫌な事からは逃げる…。
本当に心が冷めてしまわないように、頑張ろう
未来が信じられなくてもいい、自分を疑うのはやめよう


  夢世界の英雄
熟睡したはずなのに目覚めると極度な疲労感がある。
夢は満たされない現実を、満足させるものなのか?
だとしたら非現実的な夢の内容は全て願望かもしれない。

夢の中では何かと戦い続けているヒーローだ。
必死になって何かを守るために戦っていた。
疲れて疲れて限界になって目が覚める
だから目覚めた時は、いつも疲れているんだ

人間は体力よりも精神力で動いている。
夢の中は、心の中の世界だ。
世界中の人々の心が作り出した仮想現実の世界。

僕は精神力の限界まで戦っていた
だから目覚めた時に、この肉体を動かす気力はなかった

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