アヌンナキとは
 「アヌンナキ」とはシュメール語で「天より降り来たりし者」という意味である。『旧約聖書』では「アヌンナキ」を「ネフィリム」としているが、これも直訳すると「天から降りた者」を指すが、シッチン氏がそれについて指摘するまでは、「巨人」と訳されていた。また「アヌンナキ」から「神(God)」へと変ったのは古代ギリシャ以降だと言う。

 アヌンナキは「交差する星」ニビルに住むシュメールの神々である。30万年前、母星ニビルの減りつつある大気の保護政策のため地球を見つけ出したと、シュメールの文献には記されている。地球に派遣されたアヌンナキは900人そのうち地球に降り立ったのが600人である。残りの300人は母星ニビルや火星の連絡通信業務に専念した。

 またシュメール神話では、惑星ニビルの大気が減りつつある危機を「黄金のシールド」で包むため最初はアヌンナキ自身が金の採掘に専念していたが、ある日地球に滞在していたアヌンナキが労働を嫌がり、反乱したことからアヌンナキの代わりに働く者として、アヌンナキの一人エンキはDNA操作操作により「人類(ホモ・サピエンス)」を生み出した。そして人類に知識を与え、文明を与えたと言われる。
 また「天から下りし神々」の神話はシュメールから伝播したところがあり、アヌンナキに関連した話は、中国など各地で見られる。
 


アヌンナキの構成と確執
 アヌンナキは惑星ニビルに住み、ニビルの公転周期と同じ3600年周期で地球にやってきた。アヌンナキをまとめる主なる父としてアン(アヌ)であり、アンの正妻アンツと6人の内縁の妻がいた。そしてエンキ、エンリルなど80人の子がいた。そしてアンを中心として首相が存在し、アヌンナキのロケット「ムー」を担当する三人の指揮官、武器を司る3人の指揮官、2人の学者、財務大臣、2人の裁判長、2人の音楽家、2人の主任書記がいた。

 またアヌンナキ同士激い対立があった。それはエンリルとエンキに見られるような特殊な王位継承方にもあった。アヌンナキの王位継承方は実に特殊であり、その王の第一子よりも、優先的に異母姉妹の間で生まれた子供が王位継承権が与えられたのであった。エンキはニビル王アンと側室イドの子に生まれた第一子である。一方エンリルは異母妹アンツの間に生まれた第二子である。
 そのためエンキが第一王子だとしても、異母妹の間に生まれたエンリルの方が優先的に王位継承権が与えられる。もちろんそれに不服であったエンキと優先的に王位継承権を与えられたエンリルは確執の違いという形で対立した。

 またエンリルとエンキの対立はそれだけではなかった。先遣隊として50人のアヌンナキをつれて地球に降り立ったのはエンキにもかかわらず、地球総司令官はエンリルであった。それは「アヌンナキ評議会」で決められたことであり、それは絶大的なものであり、ニビル王アンの王子であるエンリルやエンキとはいっても「アヌンナキ評議会」の決定には逆らえなかった。 エンキの「人類創造」も「アヌンナキ評議会」で決定が下されたらこそできたのであった。

 「アヌンナキ評議会」はニビル王を入れて常に12人で構成されている。(シッチン氏は後にこれがギリシア神話の「オリンポス12神」の原型だという)そしてこの決定は絶大的なものであり、王位継承から地球の政策方針まで、常に「アヌンナキ評議会」で決められたという。そしてエンリルとエンキが地球総司令官の座を巡って争った時もこれによって決められ、そしてどうしても決着のつかない場合は、「くじ引き」でその決定を委ねた。
 そしてなかなか決着のつかなかったエンリルとエンキの地球総司令官の座に対し、アンはくじ引きで決め、その結果エンリルは地球総司令官に、そしてエンキはアフリカのアブス金鉱に左遷されたという。

 また、神々のランクもアヌンナキ同士の争いの火種であり、それはアヌンナキがかぶっている帽子の角の数で決まる。左右一対の角を「10」として数える。一番多いののはニビル王のアンであり「60」である。そして配偶者がいる場合、その夫のランクから5を引いたが数がつの妻のもつランクである。そしてランクはそのアヌンナキの出世などにより上がったり、時には降格する場合もあるが、王位継承権を有してる場合、その現王が引退しない限り、地位も身分も与えられないのである。
そしてそれに不服を感じたのはマドゥルクであり、ニヌルタは父エンリルと同じ「50」であったにも関わらず、兄弟であるマドゥルクは「10」しか与えられず、後に反乱を起こした。
 エンキとエンリルの確執、王位継承争いがエンリル派とエンキ派に分かれた戦争にまで発展し、その戦争は世代を越えて続くように、常にアヌンナキ同士は色々な火種を持ってたのである。

エミスサリエス アヌンナキが創り出した生命体ロボット。知的生命体でもなければ機械ロボットでもないアンドロイドである。イナンナがエレシュキガルにに殺され、エンキがイナンナを復活させた際にこの二体のアンドロイドを用いたという。シュメール各地の遺跡でみつかり、目が大きくつり上がった小立像である。正に宇宙人か何かの異種生命体を思わせる小立像は、近年インプラント事件や有名なロズウェル事件に現れる「グレイ」と呼ばれる宇宙人と全く良く似ている。
 

神々の寿命
 人間が手に入れようと求めていた「神々の不死の命」。人間は神に近づくため、また不死の命を求め続けてきた。、「不死の命」とは、実際には二つの天体の周期の異なったライフサイクルによる、見かけの寿命しかない。ニビルが太陽を回る軌道を一回りし終えた時、そこで生まれた者は一歳年取ることになる。つまり地球が一回りする時、人が一歳年取るのと同じである。ニビルの一周は地球の周期3600回に相当するので、地球に住む人類にしてみれば、アヌンナキは不死の命を持っているように思える。つまり地球暦3600年がニビルでいう1年なのである。故に「神々は不死」であると錯覚するのである。