ノストラダムスの予言は外れたのか
 1555年に発行されたノストラダムスの『諸世紀』は、その後の世界史上の大事件を、ほとんど予見し的中させてきた。その予言は、一見したところ、文学作品のような「四行詩」の形を取っている。そうした詩を、ノストラダムスは1000篇近く残しており、その詩のほとんどが、人類の未来史を予言している
 とくに絶対的なインパクトを持つものが1999年が人類にとって恐怖の年になるという詩である。
 「1999年の七の月、天から恐ろしいほど強い大王がやってきて、アンゴルモア王の目を覚まさせ、マルスの星はつつがなく統治される事になるだろう」(『諸世紀』第10章72節)
 第一次、第二次世界大戦、原爆投下、ケネディ暗殺など、人類史のあらゆる大事件に関する予言が的中しているところから、この予言も的中するのは間違いないだろうといわれてきた。しかし、21世紀になった今でも我々は生きている。それはなぜか?詩の解釈にあったのではないか。

グランドクロス
 1999年8月、バチカンの真上で、惑星が直列にならぶグランドクロスが成立した。グランドクロスとは、惑星が一列に並び、太陽を軸に、ちょうど十字架形を描く現象を指す。ネイティブ・アメリカンやアフリカの原住民ドゴン族など、原始時代の人類が持っていた直観力を未だに残す人々の間には、、「グランドクロスの後には、地球の表面から人類が姿を消す」という言い伝えが広く伝わっている。
 グランドクロスが成立した後には、必ずポールシフト(極移動)が起きていた。グランドクロスをきっかけに地軸が移動し始め、ついには極点が逆転しまうのである。

警告
 ポールシフトや、惑星衝突がなくても、人類は絶望へとむかう。ノストラダムスの予言からは、そのような恐ろしい未来も見えてくる。
 「その年、土星と火星はともに燃え、空気はからからに渇き、多くの国で神秘の火によって、激しい熱がいたるところを燃え上がらす。雨はなく、熱風、戦い、傷ついた人々」(『諸世紀』第4巻67番)
 これは、占星学上、この2つの星が同じ星座に属する年、1988年にあたるのではないか。この年は、世界的に気候の異変が続いた。現在、地球上の砂漠は、三分の一にまで広がっている。この誤、さらに大地の砂漠化が進めば、やがて食料が不足し、人類は絶滅へ向かうしかなくなる。

 「40年間、虹が現われず、また、40年間、毎日のように虹が現われる。不毛の大地の乾燥はますます進行し、いつか大洪水が地を覆い尽くす」(『諸世紀』第1巻17番)
 この4行詩は、地球の気象がかつてないほどに乱れ、異常気象が至るところで頻発するという事態を示している。

 「大飢饉が近づいてくる。一方から他方に向きを変え、しだいに世界中に広がっていく。大きく長く飢饉は引き剥がしていく。木々は根から、子供は乳房から」」(『諸世紀』第1巻67番)
 地球が養う事のできる人口は、せいぜい60億、多くて100億といわれる。それを超えた時、どんな運命が待ち受けているのだろうか。

 「鳥の騒がしい声が聞こえ、幾重にも重なった大砲の上で、小麦の粒がとても高くなり、人は人を食べるようになるだろう」(『諸世紀』第2巻75番)
 人類に、生物としての本能が残っているなら、人口爆発の前に、地球サイズと照らし合わせて適正な人口規模に整えなおす何かが起こる可能性は高い。

 「とてつもない恐ろしさを持ってヴォルスキ災厄が到来する。彼らのとてつもない都市は染まり、悪臭を放つ。太陽と月を略奪し、彼らの寺院を汚す。そして2つの川は流れる血で赤く染まる」(『諸世紀』第6巻98番)
 ヴォルスキという言葉を組み替えると、ウイルスとなる。


最終詩
 「二つめのミレニアム 世紀の変わり目からほどないころ、雷鳴が轟き、魚は長き眠りにつく。怒り、戦争、混乱、疫病、そして瓦礫・・ すべての人はどこへともなくきえていく」

 「夜が昼となり、随所に大いなる恐怖。警告は的中し、女達は復讐に立ち上がる。地軸を劈く大鳴動、そして不安。邪神が人々の心に巣くい、都市のあちこちで血が流される」

 「五つの刺し傷が現れ、疫病はさらに広がる。教会は狂信者であふれ、血の跡は永遠に消えない。ローマの法王は嘲笑の対象となり、王たちはその死に振り回される」

 「戦争の兆しが頻発し、国々は震え上がる。女王達は平和を懇願してあわてふためくが、群衆たちはただ恐れるのみである。90に3を足した都市に動乱が広がり、強力な戦士達は奮い立つ。そして、しまいには水平線にたどりつく。」

 「大いなる数7の年にそれは起こる。ヘカツゥームの競技のとき、二つのミレニアムの年から遠からずして、死者が墓から起き上がる」

 「星をいただく国の統治が20年間続き、月をいただく国が50年間支配する。そののち、太陽が力を失い、やがて、わが予言は成就し、終わらんとす」