ファティマの予言とは
 ファティマの予言とは、1975年5月13日に、ファティマに住む3人の子供達の前に現れた聖母マリアが、そのうちのひとり、ルチアに託したメッセージの事である。ファティマは、ポルトガルの田舎町だったが、1917年に聖母が出現した事から、ローマ・カトリックの国際的な巡礼地となった。

 ファティマの予言とは、第一次世界大戦中に聖母マリアがこの世に姿を現し、人類の将来について予言した書である。「このまま現在のような歩みを続けていけば、人類の行く手には恐ろしい終末が待っているだけだ」と警告を与えたものと言われている。その予言は、第一、第二、第三の三つの内容に分かれる。
 第一の予言は、第一次世界大戦が、ほどなく終わる事を告げたものだった。第二の予言は、第二次世界大戦の勃発と、その終結を告げるものだった。したがって、第一、第二の予言はすでに成就されている。

世界はサタンによって支配される
 第三の予言は、極秘のうちに世界の主要国に配られていたという。日本でそれを受け取ったのは、函館のトラピスト大修道院の院長だった。『ファティマの第三の予言』とは次のような内容だったとされる

 「やがて、世界はサタンによって支配されるでしょう。それは、人々がそれまで、神の御心を足蹴にするような行動を重ねてきた結果、自ら招いたことなのです・・・。サタンはまず、教会と学界を支配します。そのため、一瞬のうちに全人類を滅ぼしてしまうような武器が開発されますが、教会はそれを止める力も意思も失ってしまいます・・・。この武器を使った戦いが世界のあちこちで火を噴くでしょう。火と煙が地球上を覆い、海の水まで、ふつふつと煮え返ります。この異常な現象によって、地上にあるもの、水中にあるもの、空にあるものまで破壊されてしまうでしょう。人類は九分の七が死に絶えてしまうでしょう。だが、死者はまだ幸いです。生き残ったものは、死ねなかったことを激しく悔やみ、死者をうらやむほどの苦痛と苦悩にさらされるのですから。誰が残されるのか。あるいは残されるものはないのか。小さい者も、善き人も、悪しき人も、みな滅びてしまう・・・。と考えられます。いま、私に見えるのは、地球上のいたるところで勝利の歌を歌うサタンと死神の姿です」」

 「物質主義、官能主義、そして無信仰がはびこっています。このままでは次の世紀、多くの民族は地球上から姿を消していくことになるでしょう。このままでは、世界の人はともに滅びるほかはありません。祈り、そして他の存在のために喜んで犠牲となる生き方を進んでください。最後の、そして最上の武器はロザリオ(十字架)です。ロザリオと犠牲の精神、この2つが全てを決定いたします。この2つがあれば、人は神の祝福を受けられるでしょう。」

血の涙を流すマリア像
 1952年、ファティマに姿を現した聖母マリアは、ルチアに与えた予言よりも、さらに具体的な予言を授けている。
 「世界は大きな破滅にむかっています。恐ろしい罪が私たちを脅かします。やがて数百万、いや数千万の人が、悲しく残酷な死を遂げる事になるでしょう」
 「ああ、なぜでしょう。世界はますます暗闇に閉ざされていきます。やがて、世界を飢饉が覆うでしょう。人はもはや、満足に食べる事はできなくなります。その後に訪れるのは、地球全土を戦地にしてしまう巨大な戦争です。この戦争の結果、人類の三分の一は地上から取り除かれます。そして、残った人類の三分の二も、やがて取り除かれてしまいます。神がこのような恐ろしい運命を人にお与えになるか考えたことがあるでしょうか。それは、人の子らが、神の御心からおびただしく遠ざかってしまったためなのです。私は、ファティマでも告げました。なぜ、そのとき、告げた言葉をもっと真摯に受け止めてもらえなかったのでしょうか」聖母マリアの嘆きはますますエスカレートし、ついには、各地でマリア像が涙を流すようになった。1974年、ファティマにある小さな教会に掲げられたマリア像の絵が、ある日、血の涙を流し始めた。それ以来、この像は839回も血の涙を流し、その光景は写真に残され、ローマ法王庁は、奇跡の認定委員会にかけている。」