ヨハネの黙示録とは
 『ヨハネの黙示録』は、人類の滅亡をテーマに書かれた書である。この書は「予言書」ではなく、「預言書」である。予言は、人間が鋭いカンを働かせて未来を見通して述べる言葉である。一方、預言は神と直接コンタクトして、神の言葉を人の言葉に書き換えて伝えたものである。「ハルマゲドン」という言葉が始めて登場したのは、『ヨハネの黙示録』の中である。ハルマゲドンという言葉が登場するのは一度きりであり、戦争という意味ではなく、地名として登場した。なぜ、世界最終戦争を意味するようになったのだろうか。ある宗教学者によれば、ハルマゲドンは当時の現地語で「破滅の原」という意味を持っていたという。だが、ハルマゲドンが、大量虐殺を伴う世界最終戦争という意味に転化したのは『ヨハネの黙示録』に提示される預言があまりに恐ろしく、そのイメージがハルマゲドンと重なったためと考えられる。その最終戦争を、『ヨハネの黙示録は、こう書き表している
 「ある日、人類にとって、最期の、そしてとても悲惨な戦争の火ぶたが切られる。その戦いで、人類の三分の一は死に絶え、残りの三分の一は悪鬼と化してさらに苦しみ、やがては死の谷へと転げ落ちる。残りの三分の一に残された運命も、さらに過酷なものである。彼らは、生と死のいずれにも属さない世界で、ただただのたうちまわる・・・」

禁断の七つの封印"の謎
 『ヨハネの黙示録』によれば、神は、七つの封印された書物を人類に指し示す。その封印は人類の歩みの中で一つ一つ解かれていく。そして、そのたびに人類は破滅に向かう。

 「第一の封印が解かれると、四つの生き物の一つ、牡牛座の雄牛が雷のような声で"来たれ"と呼んだ。その声に応えて白い馬が出てきた。その馬には弓を手に持ち、冠を与えられ、勝利のうえにも勝利を得ようとする者が乗っており、勇躍、進んでいった」

 「第二の封印が解かれると、今度は赤い馬が出てきた。その馬に乗っているものは、大きな剣を持っており、出会う人を殺していき、地上から平和を奪っていく」

 「第三の封印を解くと、第三の生き物、黒い馬が姿を現した。その馬に乗っているものが手にしているものは秤だった。そして、その者はこう叫ぶのだ。小麦一枡は一デナリ。大麦三枡も一デナリ。オリーブ油とぶどう酒を損なうな」

 「第四の封印が解かれると青白い馬が出てきた。それに乗っているものは"死"と名乗り、その"死"に黄泉が従っていた。彼らは、地の四分の一を剣と飢餓と死と地の獣をもって覆いつくし、人が次々と殺されていく」

 「第五の封印が解かれると、大いなる煙が立ちのぼり、日も空も坑の煙にて暗くなる。神は祭壇の下に隠れ、この世は神のいない時を過ごす。このとき、人々は死を求むとも見出さず、死なんと欲すとも死は逃げ去るだろう」

 「第六の封印が解かれると、大地震が起こり、太陽は毛布のように黒くなり、月は全面、血のように赤くなる。やがて天の星が地球に向かって落ちてくる」

 「第七の封印が解かれると、血の混じった雹が降り注ぎ、同時に火の玉も降ってくる。そして地の三分の一が焼け、木の三分の一が焼け、すべての青草は焼けてしまい、地にある生命の三分の一は消滅する・・・」

古代から近世まで、多くの予言は一読しただけでは解読できないように書かれてきた。なぜなら、昔は言論の自由などなかった。そのため、正しい事実を伝えようとするなら、一読しただけではわからない文体で書かなければならなかったのだ。


『死海写本』とフリーメーソン
 フリーメイソンは、表向きは自由と博愛を謳い文句とし、あらゆる宗教を統一し、人類の発展と世界平和を標榜すると言われているが、実際は、世界制覇を成し遂げるために着々と準備を進めているという。たとえば、日本経済のバブルの出現、崩壊も、フリーメイソンの手中で行われたものだという説がある。『死海写本』には「神は自らの選んだ民とともに、その王国を永遠のものとする」という一説がある。フリーメイソンはこの一部を金科玉条として、2000年もの間、世界制覇を実現してきたのである。
 フリーメイソンは、破滅から生き残った人類を、完全な支配下に治め"神の王国"を建国するという。そして、新たな救世主をこの世に遣わすという。